大ヒットしたけど、賛否な「もののけ姫」。
宮崎さんの書かれたものや、インタビューされたものを読むと、
子供たちに向けて、嘘をつかないで、誠実につくられた作品だったなと思います。
そして、ことごとく、自分の得意なことを封印させた作品。
飛ばない。
明快な畳み掛けるようなストーリー展開。
大大円なカタルシス。
これがなかったために、今までの宮崎映画にあった爽快感が、
奪われてしまった作品。
これは、意図的にやったと思われます。
現実世界で、問題が複雑にからみあい、簡単には単純には、
解決のつかないさまざまなこと。
閉塞感いっぱいな現代にあって、映画の中でさえも、簡単な答えは
出せなかった。出したくなかった。
こうすれば、解決がつくよ。と、嘘をつきたくなかった。
かといって、絶望感のまま、終わらせたくなかった。
自分は絶望感でいっぱいなのに。
映画版ナウシカ。
最後、カタルシスが得られる終わり方。
ほのかな希望を提示。
あのときよりも、時代は逼迫していると、宮崎さんは感じている。
そして、あの映画をみて、自分はなにもしてなくても、
感動して、涙を流したことによって、
現実世界のことも解決した気になってしまう人の多さ。
に危惧を抱いた。
映画版ナウシカを作ったからこその、
責任としての「もののけ姫」を作った。と思えてならない。
でも、わたしがこう思うのは、書かれた物や、
いろいろなインタビューを読んだから。
映画は、とにかく見ている間中、苦しくてならなかった。
映画は、映画として成立していなければ、ならないと思う。
何かで補完されて理解できるのでは、成功したとはいえないと思う。
それでも、あの時にあの「もののけ姫」をつくったのは、
意味のあることだったのだと思う。

コメント

りら
2006年4月12日17:47

宮さんファンの友達の間でも「もののけ姫」だけは、どうしても納得のいかない作品です。
試写会で観た帰り、友達と2人で「画面が遠かったね」と、落ち込んで帰りました。
期待していた分だけ、裏切られた気分でした。
今、観ると。また違って観られるかもしれませんけれども。

ただ、どうせなら「ナウシカ」の続編を作るべきだったとは、私は思っています。
もののけ姫は、原作絵本のような、お伽噺で観たかったです。
あの当時、宮さんの心は、怒りと絶望でいっぱいでした。
そのことが、1番哀しかった。

イーダ
イーダ
2006年4月12日23:28

りら様コメントありがとうございます。
続編。宮崎さんは作らないですね。
宮崎さんについても、語ると長くなります。わたし(笑)
ところで、メールの返信をさせて頂きました♪

りら
2006年4月13日0:11

そう、続編は作らない主義なのですよね…。
宮さんについても、ぜひ、もっと語って下さい〜♪
URL、ありがとうございました。
ハウルの所だけ読みましたよ。
いろんな捉え方があって、欧米人って面白いですね。