坂の上の雲〜序〜

2006年11月14日 読書
せっかく読んだので、
メモがわりに、少しずつでも書いて残しておこうと思う。

司馬遼太郎が、日本史に関心をもつにいたったのは、
太平洋戦争が終わって、あんなバカな戦争をなんでしたんだ、
昔の日本はもっとましだったのでは。
というのが、きっかけだったという。

この「坂の上の雲」についての映像化については、
戦争礼賛の危険があるために、なかなか許可がおりなかった。

眠れる獅子と恐れられた清国。
けれども、実態は、独裁と腐敗しきった官僚組織にいきつくところまでいき、
崩壊寸前だった。
時は帝国主義。
そんな清国は、西欧列強の利権欲の餌食にされていた。

次の標的は、朝鮮と日本。
当時、主な産業といえば、農業という世界でいえば片田舎の国が、
せい一杯に背伸びをして、智慧と勇気で渡り合ったのが、
明治という時代。
「自分の身を立てる」ことと「自分の国が栄えること」「独立を保ち得る」
ことが合致していた、日本の青春のような時代。

その片田舎の国が身の丈に合わないほどの軍隊を持った。
さしずめ、人口3000人ぐらいの村が、
プロ野球の球団のオーナーになったようなもの。
その片田舎のオーナーのような国がはじめて、
ヨーロッパ文明と血みどろの対決をしたのが、日露戦争。
その対決は辛うじて勝った。
今から思えば、ひやりとするような奇蹟といってもよかった。
奇蹟の演出家の一組として、
伊予松山出身の秋山好古、真之兄弟が主人公にすえられて、
この物語は進んでいく。